※表内の「長い前ふり(1)」や「級外編」の文字をクリックすると該当するエントリーにジャンプします。 長い前ふり編 長い前ふり(1) 2010年4月3日 脳梗塞で視野の右上4分の1が欠けちまった 長い前ふり(2) 2010年4月5日 ロットリングの多機能ボ…
おれの"儀式"の内容は、こうだ。 まずシャワーを浴びる。本来なら水ごりをしたいところだが、心臓が止まると困るので45度のシャワーで代用している。短髪にしたので頭も洗う。すぐに乾くから便利である。 風呂場から出たらざっと体を拭いて、読経である。 お…
いまの主力万年筆はウォーターマンのル・マン100 オペラ(以下オペラ)にになりつつある。モンブランのマイシュターシュテュック146で字を書く快感はでかいが、字が太すぎてペン習字の練習にはトゥーマッチな気がする。で、オペラの出番が多くなっている。 …
名付けてセルフ添削システムII(ツー)。 ネーミングはごたいそうだが、その実態はシステムと呼ぶのが憚られるほどアナログな練習方法である。 画像処理ソフトを使って手本と自分の字を重ねる。すると当然そこにズレが生じる。これまでは、このズレを目で確認…
ペン習字の練習用として、100円ショップで買った『かんじれんしゅうちょう』を使っている。 10文字×5行、50文字ぶんが1ページ。ひとつの枡目は正方形で、そのスペースをさらに4分割する破線が印刷されている。だから字のバランスがわかりやすくて、初心者…
課題の締め切り(必着)は毎月の10日。「締め切り間際は混雑するので早めの提出を心がけましょう」といったことがどこかに書かれていたように思う。 締め切りに間に合わなかった場合は、添削は受けられるが級位の認定が受けられなくなってしまうそうだ。 で…
マンガ『とめはねっ!』で得た知識だが、書道家には漢字の専門家とかなの専門家がいるらしい。 漢字は大陸から渡来したもの。かなは漢字をもとにして日本の文化が生み出した文字だ。生み出したというよりは、磨きあげたらひらがなになったような気がする。 …
それは「ペン習字はとてつもなく地味である」ということだ。 字がうまくなっていくプロセスについて、おれは心のどこかで「ある時点で飛躍的に上達するのではないか」と考えていた。希望的観測というやつだ。 ところが事実はそうじゃないようなのだ。 手本を…
篆刻(てんこく)の存在を教えてくれたのは、西原理恵子の『恨ミシュラン』だった。 当時の週刊朝日の編集長が篆刻に凝っていて、サイバラは興味がないのにハンコを自慢されて迷惑だといった描写が作中にあった。それを読んだおれには、篆刻という渋い工芸に…
いまよりちっとはマシな字が書けるようになったら何を書くか? たくさんある候補のなかでもぜひ書いてみたいのが"くだらないこと"だ。 もう25年もまえに廃刊した雑誌、『ビックリハウス』。 短くまとめれば"読者投稿による冗談の雑誌"だ。中学生だったおれは…
もちろん、これでひらがながマスターできたわけじゃない。 長い年月をかけて凝り固まった自分の字の癖は、ちょっとやそっとじゃ直りゃしない。手本を見ながら忠実に真似して書いているつもりでも、あらゆるところに癖が顔を出す。"セルフ添削システム"を使っ…
自分では見本をよく見ているつもりなのに、似ても似つかない字を書いてしまう。観察の際のポイントがわかってないのだろう。 手本をまねてるつもりなのに、自分の癖が出しゃばってくる。結果、どうにもバランスの悪い、腰の浮いた字になっちまう。 「ペン習…
添削課題は"いろは順"だが、現代人のおれは"あいうえお順"で練習する。 一日5文字ずつ。ずいぶんのんびりしたペースだが、欲張ってすぐに息を切らすよりはましだろう。 最初は「あいうえお」。C系統のお手本を見ながら、枡目に4分割の点線(リーダー罫と…
ふだん書く字が汚いことは自覚している。おまけに中学・高校の授業ですこしだけ習った書道も、かなり苦手だったのだ。思い出したよ。 中学で書道の授業があったのは、1年間だけだったように記憶している。 書道の授業は息抜きの時間、といったムードがあっ…
[ペン習字] 世田谷区のはずれに住んでいた。地図で見ると三方が調布市に囲まれていて、なにかの手違いで23区に混ぜてもらったような町だった。 おれも妻も昼の勤めに出ていたので、家を空けることが多かった。娘は保育所に預かってもらっていた。 通信販売を…
おれにとって、ペン習字に興味を持ったことで出会った言葉の代表が「書きぶり」だ。寒ブリや親子どんぶりなら知ってたんだが。 書きぶり。意味の見当はつくが、目にも耳にもしたことがなかった。しかしスーパー大辞林を引いたら載っていた。なんだ、おれが無…
まず、パイロットに資料を請求する必要がある。 オフィシャルページの申し込みフォームに記入するのが第一歩だ。この手続きを踏まないと、受講料の払込票が送られてこない。12600円を振り込むことイコール受講申し込み なので、面倒でも資料を請求する必要が…
たいていの疑問を解決してくれるよな、インターネットは。コンピューターへの依存度を高めるだけ高めといてから電力を取り上げて無力化する作戦だだろう、メフィラス星人よ。 おれの疑問を瞬時に解決してくれたのがここ。 『ペン字いんすとーる』 サブタイト…
地元の文具店では万年筆が売られていなかった。これは意外だった。その店は、30年ほど昔には「東京で2番目に大きい文具店」を売り文句にしていたくらいだからそれなりの規模ではあるのだが、いまでは万年筆をほとんど置いていない。数本の在庫があるにはあ…
父が亡くなってから24年になる。いま思えば、父はおれが好きなタイプの大人だった。陽気で温和、ろくに小学校も出ていないはずなのに物知りな人だった。おれが知っているのはこれだけで、あとは父の死後に祖母から聞いた話だ。その祖母も去年亡くなった。 腕…
万年筆そのものを最初に製品化したのはウォーターマンだとか、モンブランはいまではリシュモンの傘下にあって品質の低下が指摘されているとか。ほんの数日まえまで万年筆に関してはまったくの門外漢だったおれが、短時間でにわか万年筆通になっていた。半可…
「書き心地」。そんなものがあること自体をすっかり忘れていた。 ロットリングのボディーに刻んでもらった自分の名前―本名ではないが―を見て、いいもんだなと思った。たったの8文字の刻印があるだけで、大量生産の工業品が手作りの一品物に化けた気になる。…
名入れ代は600円〜800円(ペンの素材による)だが、税別で5000円以上の買い物をすれば無料になる。さらに、送料までショップ負担だ。 ペン自体の定価は5000円だが、その店ではちょと安くて3900円をすこし欠けるほどだった。この値引きぶんを他の買い物で埋め…
かすれずに書ければいい、それだけの存在。そもそも手で文字を書く機会あまりなかった。原稿を書くにはパソコンのほうが便利だし、趣味と実益を兼ねていた塾講師の仕事でも、パイロットのドクターグリップ4+1があれば十分に用が足りた。 もう1本、まだ文…
わかりやすい理由だと思う。この理由にあとからつけ加えた理屈もあるが、それらはすべて蛇足と感じる。でも、あれこれ書いておこう。こうして書くのもリハビリだから。 ひとくちに脳梗塞といっても症状には重度軽度いろいろある。重ければ発症直後に命を落と…