ペン習字

このブログを始めたときから、予防線を張るように何度も書いてきたこと。それが「おれは飽きっぱいからいつまで続くことやら」だった。 で、その時がやってきた。いちおう最後ということで、「飽きた」の内についておれらしく、ぐちぐちと説明して中締めとさ…

 第45回 ただの落書きでごんす。

B5サイズの原稿用紙が好きだ。 持ち運びに適しているし、1枚がすぐに文字で埋まるので枚数がどんどん進む。なんだか自分の書く速さが上がったような錯覚が気持ちいい。 しかししょせんは200文字。「完結したなにか」を1枚で書くのは難しい。ツイッターの…

第42回 字のうまさを数字で表すことには無理がある。その無理を承知であれこれ考えてみた。

パイロットのペン習字通信講座の受講を決めたとき、つまり7ヵ月まえのおれはこんなふうに考えていた。 「ペン習字を学ぶことで、毎月1割くらい上達できれば御の字だ」と。 当時のおれが、深く考えることなく、なんとなく感じたことだ。でも、甘いね。大甘…

第39回 ペン習字を始めなければ気にかけることもなかったであろう些細なこと――万年筆の持ちかた――。これについてひとくさり。

まずはじめにお断りしておかなくては。 「万年筆 正しい持ち方」といったキーワードで検索した結果ここに辿りついた方は、いますぐこちらに行ったほうがいい。 ↓ ペン字いんすとーる 『正しいペンの持ち方について調べてみた』 あなたが求めている答えは、お…

第38回 パイロットのペン習字通信講座。4ヵ月も居座った9級Aを卒業し、8級Bになることができた。

パイロットペン習字通信講座では、最下級は10級ってことになっているが、実質的には9級Aがスタートラインだとおれは考えている。 毎月の『わかくさ通信』には事務局によって認定された級位が掲載されるが、10級にかぎっては割愛されている。その理由は、10…

第37回 昨日アップロードしたテキストを手書きで原稿用紙に書いてみた。疲れました。

※テキスト(フォント)版はこちら 昨日の『フクダ君の筆跡』を万年筆で6種類の原稿用紙に書いてみた。 計画では、すべてを同じ万年筆で書くつもりだった。しかし途中でアクシデントがあり、3種類の万年筆、2種類のインクを使う結果となった。 200字詰め原…

第35回 このブログ用のネタは尽きていないが、8級に昇級してから「8級編」として書こうと企んで出し惜しんでいた。しかしいっこうに昇級しない。できそうな気配すらない。

4月の中旬にパイロットペン習字通信講座を始めてから今日まで、おれとしてはずいぶんまじめに練習を続けてきたと思う。 堪え性がなく飽きっぽいことは、自他ともに認めるおれの欠点だ。すこしでも深くつきあったことのある人は、申し合わせたように言う。「…

第32回 パイロットのペン習字通信講座を学び始めたのが4月の中旬だから、すでに3ヵ月半が過ぎたことになる。すでに課題も4回提出した。練習時間だって合計すればけっこうなものになるだろう。さて、おれの手はよくなっているのだろうか?

パイロットから月の頭に『わかくさ通信』が郵送されてくる。電車の中吊りポスターほどのサイズの紙を2枚、2つ折りで使った新聞状の会報だ。8ページが一号ぶんである。この『わかくさ通信』の紙面を大きく割いて掲載されているのが"級位認定者一覧"なるコ…

第31回 パイロットの講座では毎月2種類の課題を提出することになっている。2つのうち添削課題には印刷済みの手本が用意されているが、もうひとつの級位認定課題のほうは文の内容が示されるだけで、字の形や配置については各自が調べる必要がある。

「その記念館は、豪商が建てた夏の別邸でした。」 これが今月の級位認定課題である。課題文は毎月頭に送られてくる会誌(紙)『わかくさ通信』の紙上か、パイロットペン習字通信講座のサイトで知ることになる。 上級のペン習字erになれば、課題の内容=文字…

第27回 万年筆に凝りだすと、つぎはインクかノートに興味が向くというのが定説のようだ。

おれの場合は万年筆に向かうまえの段階でペン習字というクッションをかませたが、それでもやはりインクに対する興味が出てきた。 安いものでも3000円台、ボリュームゾーンが1万円から2万円台、値が張るとなれば10万円の大台を超えるものも珍しくない。それ…

第26回 川窪万年筆店からのお知らせをtiwtterで目にしたのが5月31日の午前10時ごろ。千載一遇! と感じたおれは、2時間後に代金の送金手続きを終えていた。

昭和万年筆・フォルカン仕様、10500円也。 だいぶ時代のついた万年筆だから、価値を感じない人には高いだろう。しかしおれにとっては「川窪万年筆」と「フォルカン」の2役がついた逸品である。 今回の販売本数は4本だったが、おれがオーダーフォームに記入…

第25回 ザラメから生まれる雲の菓子のごとく万年筆への興味が膨らんできたのが2ヵ月まえのこと。日に日に万年筆熱は上昇し、検索ウィンドウに「万年筆」と打ち込んではあちこちのサイトを見てまわった。

インターネットで得られる情報は、あくまで"情報"であり"知識"にすぎない。 目や指で実際に使うことで得られる"体験"や"経験"とは別種のものである。 それでも、日を追って確実に増え続ける万年筆の知識は、おれを幸せな気持にしてくれた。 「モンブランもウ…

 「長い前ふり」と「11級編」のインデックス

※表内の「長い前ふり(1)」や「級外編」の文字をクリックすると該当するエントリーにジャンプします。 長い前ふり編 長い前ふり(1) 2010年4月3日 脳梗塞で視野の右上4分の1が欠けちまった 長い前ふり(2) 2010年4月5日 ロットリングの多機能ボ…

第24回 なにごとも型から入るタイプで、ペン習字の練習だって例に漏れない。ヘタすりゃ練習前の"儀式"のほうが字を書いている時間よりも長いくらいだ。

おれの"儀式"の内容は、こうだ。 まずシャワーを浴びる。本来なら水ごりをしたいところだが、心臓が止まると困るので45度のシャワーで代用している。短髪にしたので頭も洗う。すぐに乾くから便利である。 風呂場から出たらざっと体を拭いて、読経である。 お…

第23回 ペン習字を始めた動機のなかで最大のものは"万年筆趣味の免罪符"だ。「手段が動機を追い越しちまったかも」と思いつつ、たまには動機を思い出す。

いまの主力万年筆はウォーターマンのル・マン100 オペラ(以下オペラ)にになりつつある。モンブランのマイシュターシュテュック146で字を書く快感はでかいが、字が太すぎてペン習字の練習にはトゥーマッチな気がする。で、オペラの出番が多くなっている。 …

第22回 画像処理ソフトを利用したセルフ添削システム。こいつを使った練習は、おれに合っているようだ。自分では効果アリ! と思っていが、このシステムにすこし手仕事を加えてみることにした。

名付けてセルフ添削システムII(ツー)。 ネーミングはごたいそうだが、その実態はシステムと呼ぶのが憚られるほどアナログな練習方法である。 画像処理ソフトを使って手本と自分の字を重ねる。すると当然そこにズレが生じる。これまでは、このズレを目で確認…

第21回 ブログの更新頻度が開設当初と比べて下がっているのは、飽きてきたからじゃない。ネタがないからでもない。ペン習字の練習をしているとブログのために割く時間と体力がなくなる。それだけの話だ。

ペン習字の練習用として、100円ショップで買った『かんじれんしゅうちょう』を使っている。 10文字×5行、50文字ぶんが1ページ。ひとつの枡目は正方形で、そのスペースをさらに4分割する破線が印刷されている。だから字のバランスがわかりやすくて、初心者…

第20回 3泊4日の心カテ(心臓カテーテル)の検査入院から帰宅すると、パイロットから緑の封筒が届けられていた。今月の5日に投函した4月の課題が、添削→返送されてきたのだ。

課題の締め切り(必着)は毎月の10日。「締め切り間際は混雑するので早めの提出を心がけましょう」といったことがどこかに書かれていたように思う。 締め切りに間に合わなかった場合は、添削は受けられるが級位の認定が受けられなくなってしまうそうだ。 で…

第19回 おれにしては珍しく毎日まじめに練習を続けている。そして毎日ひらがなの難しさを感じる。同時にひらがなの美しさも感じられるようになってきた。

マンガ『とめはねっ!』で得た知識だが、書道家には漢字の専門家とかなの専門家がいるらしい。 漢字は大陸から渡来したもの。かなは漢字をもとにして日本の文化が生み出した文字だ。生み出したというよりは、磨きあげたらひらがなになったような気がする。 …

第18回 ペン習字の教材が届いてから約2週間、飽きっぽいおれには珍しく、ほぼ毎日練習を続けた。結果、いまの時点でわかったことがひとつある。

それは「ペン習字はとてつもなく地味である」ということだ。 字がうまくなっていくプロセスについて、おれは心のどこかで「ある時点で飛躍的に上達するのではないか」と考えていた。希望的観測というやつだ。 ところが事実はそうじゃないようなのだ。 手本を…

第17回 ひらがなも満足に書けないくせに、おれは篆刻印を持っている。2005年10月の日記から、入手の経緯を再録する。

篆刻(てんこく)の存在を教えてくれたのは、西原理恵子の『恨ミシュラン』だった。 当時の週刊朝日の編集長が篆刻に凝っていて、サイバラは興味がないのにハンコを自慢されて迷惑だといった描写が作中にあった。それを読んだおれには、篆刻という渋い工芸に…

第16回 4月の添削課題の提出期限が迫っている。「受講のスタートが遅れてたぶんだけ練習に精を出さねば」と机に向かっていたら、くだらないことを思いついてしまった。

いまよりちっとはマシな字が書けるようになったら何を書くか? たくさんある候補のなかでもぜひ書いてみたいのが"くだらないこと"だ。 もう25年もまえに廃刊した雑誌、『ビックリハウス』。 短くまとめれば"読者投稿による冗談の雑誌"だ。中学生だったおれは…

第15回 昨日は「あ」行、今日は「か」行と、一日一行を目安として練習を続け、なんとかひらがなが一通り終わった。

もちろん、これでひらがながマスターできたわけじゃない。 長い年月をかけて凝り固まった自分の字の癖は、ちょっとやそっとじゃ直りゃしない。手本を見ながら忠実に真似して書いているつもりでも、あらゆるところに癖が顔を出す。"セルフ添削システム"を使っ…

第14回 ひらがなの練習である。テキストの見本を観察して、その通りに練習ノートの4分割の枡目に書く。書こうとする。書けやしねえ。

自分では見本をよく見ているつもりなのに、似ても似つかない字を書いてしまう。観察の際のポイントがわかってないのだろう。 手本をまねてるつもりなのに、自分の癖が出しゃばってくる。結果、どうにもバランスの悪い、腰の浮いた字になっちまう。 「ペン習…

第13回 ペン習字の練習は"楷書のひらがな"から始まった。なぜなら今月の添削課題がひらがな12文字だからだ。4月始まりに間にあってよかった。

添削課題は"いろは順"だが、現代人のおれは"あいうえお順"で練習する。 一日5文字ずつ。ずいぶんのんびりしたペースだが、欲張ってすぐに息を切らすよりはましだろう。 最初は「あいうえお」。C系統のお手本を見ながら、枡目に4分割の点線(リーダー罫と…

第12回 なんとか準備が整って、ペン習字の練習を始められるようになった。やる気はある。しかし自信はまったくない。

ふだん書く字が汚いことは自覚している。おまけに中学・高校の授業ですこしだけ習った書道も、かなり苦手だったのだ。思い出したよ。 中学で書道の授業があったのは、1年間だけだったように記憶している。 書道の授業は息抜きの時間、といったムードがあっ…

第11回  娘はつぎの春に中学生になる。これは彼女がまだ2歳だったころの話。

[ペン習字] 世田谷区のはずれに住んでいた。地図で見ると三方が調布市に囲まれていて、なにかの手違いで23区に混ぜてもらったような町だった。 おれも妻も昼の勤めに出ていたので、家を空けることが多かった。娘は保育所に預かってもらっていた。 通信販売を…

第10回 どんなジャンルにも特有の用語がある。新しいジャンルについて学ぶことは、あらたな単語や未知の語法と出会うことでもある。

おれにとって、ペン習字に興味を持ったことで出会った言葉の代表が「書きぶり」だ。寒ブリや親子どんぶりなら知ってたんだが。 書きぶり。意味の見当はつくが、目にも耳にもしたことがなかった。しかしスーパー大辞林を引いたら載っていた。なんだ、おれが無…

第9回 パイロットペン習字通信講座を受講する。しかし、決めたからといってすぐに学習を始められるもんじゃないのだ、これが。

まず、パイロットに資料を請求する必要がある。 オフィシャルページの申し込みフォームに記入するのが第一歩だ。この手続きを踏まないと、受講料の払込票が送られてこない。12600円を振り込むことイコール受講申し込み なので、面倒でも資料を請求する必要が…

第8回 ペン習字を学ぶと決めた。しかし、具体的にどうすればよいのかがわからないので、とりあえずネットで検索する。いきなり解答を与えてくれるサイトに出会うことができた。

たいていの疑問を解決してくれるよな、インターネットは。コンピューターへの依存度を高めるだけ高めといてから電力を取り上げて無力化する作戦だだろう、メフィラス星人よ。 おれの疑問を瞬時に解決してくれたのがここ。 『ペン字いんすとーる』 サブタイト…