11級編

第23回 ペン習字を始めた動機のなかで最大のものは"万年筆趣味の免罪符"だ。「手段が動機を追い越しちまったかも」と思いつつ、たまには動機を思い出す。

いまの主力万年筆はウォーターマンのル・マン100 オペラ(以下オペラ)にになりつつある。モンブランのマイシュターシュテュック146で字を書く快感はでかいが、字が太すぎてペン習字の練習にはトゥーマッチな気がする。で、オペラの出番が多くなっている。 …

第22回 画像処理ソフトを利用したセルフ添削システム。こいつを使った練習は、おれに合っているようだ。自分では効果アリ! と思っていが、このシステムにすこし手仕事を加えてみることにした。

名付けてセルフ添削システムII(ツー)。 ネーミングはごたいそうだが、その実態はシステムと呼ぶのが憚られるほどアナログな練習方法である。 画像処理ソフトを使って手本と自分の字を重ねる。すると当然そこにズレが生じる。これまでは、このズレを目で確認…

第21回 ブログの更新頻度が開設当初と比べて下がっているのは、飽きてきたからじゃない。ネタがないからでもない。ペン習字の練習をしているとブログのために割く時間と体力がなくなる。それだけの話だ。

ペン習字の練習用として、100円ショップで買った『かんじれんしゅうちょう』を使っている。 10文字×5行、50文字ぶんが1ページ。ひとつの枡目は正方形で、そのスペースをさらに4分割する破線が印刷されている。だから字のバランスがわかりやすくて、初心者…

第20回 3泊4日の心カテ(心臓カテーテル)の検査入院から帰宅すると、パイロットから緑の封筒が届けられていた。今月の5日に投函した4月の課題が、添削→返送されてきたのだ。

課題の締め切り(必着)は毎月の10日。「締め切り間際は混雑するので早めの提出を心がけましょう」といったことがどこかに書かれていたように思う。 締め切りに間に合わなかった場合は、添削は受けられるが級位の認定が受けられなくなってしまうそうだ。 で…

第19回 おれにしては珍しく毎日まじめに練習を続けている。そして毎日ひらがなの難しさを感じる。同時にひらがなの美しさも感じられるようになってきた。

マンガ『とめはねっ!』で得た知識だが、書道家には漢字の専門家とかなの専門家がいるらしい。 漢字は大陸から渡来したもの。かなは漢字をもとにして日本の文化が生み出した文字だ。生み出したというよりは、磨きあげたらひらがなになったような気がする。 …

第18回 ペン習字の教材が届いてから約2週間、飽きっぽいおれには珍しく、ほぼ毎日練習を続けた。結果、いまの時点でわかったことがひとつある。

それは「ペン習字はとてつもなく地味である」ということだ。 字がうまくなっていくプロセスについて、おれは心のどこかで「ある時点で飛躍的に上達するのではないか」と考えていた。希望的観測というやつだ。 ところが事実はそうじゃないようなのだ。 手本を…

第17回 ひらがなも満足に書けないくせに、おれは篆刻印を持っている。2005年10月の日記から、入手の経緯を再録する。

篆刻(てんこく)の存在を教えてくれたのは、西原理恵子の『恨ミシュラン』だった。 当時の週刊朝日の編集長が篆刻に凝っていて、サイバラは興味がないのにハンコを自慢されて迷惑だといった描写が作中にあった。それを読んだおれには、篆刻という渋い工芸に…

第16回 4月の添削課題の提出期限が迫っている。「受講のスタートが遅れてたぶんだけ練習に精を出さねば」と机に向かっていたら、くだらないことを思いついてしまった。

いまよりちっとはマシな字が書けるようになったら何を書くか? たくさんある候補のなかでもぜひ書いてみたいのが"くだらないこと"だ。 もう25年もまえに廃刊した雑誌、『ビックリハウス』。 短くまとめれば"読者投稿による冗談の雑誌"だ。中学生だったおれは…

第15回 昨日は「あ」行、今日は「か」行と、一日一行を目安として練習を続け、なんとかひらがなが一通り終わった。

もちろん、これでひらがながマスターできたわけじゃない。 長い年月をかけて凝り固まった自分の字の癖は、ちょっとやそっとじゃ直りゃしない。手本を見ながら忠実に真似して書いているつもりでも、あらゆるところに癖が顔を出す。"セルフ添削システム"を使っ…

第14回 ひらがなの練習である。テキストの見本を観察して、その通りに練習ノートの4分割の枡目に書く。書こうとする。書けやしねえ。

自分では見本をよく見ているつもりなのに、似ても似つかない字を書いてしまう。観察の際のポイントがわかってないのだろう。 手本をまねてるつもりなのに、自分の癖が出しゃばってくる。結果、どうにもバランスの悪い、腰の浮いた字になっちまう。 「ペン習…

第13回 ペン習字の練習は"楷書のひらがな"から始まった。なぜなら今月の添削課題がひらがな12文字だからだ。4月始まりに間にあってよかった。

添削課題は"いろは順"だが、現代人のおれは"あいうえお順"で練習する。 一日5文字ずつ。ずいぶんのんびりしたペースだが、欲張ってすぐに息を切らすよりはましだろう。 最初は「あいうえお」。C系統のお手本を見ながら、枡目に4分割の点線(リーダー罫と…

第12回 なんとか準備が整って、ペン習字の練習を始められるようになった。やる気はある。しかし自信はまったくない。

ふだん書く字が汚いことは自覚している。おまけに中学・高校の授業ですこしだけ習った書道も、かなり苦手だったのだ。思い出したよ。 中学で書道の授業があったのは、1年間だけだったように記憶している。 書道の授業は息抜きの時間、といったムードがあっ…

第10回 どんなジャンルにも特有の用語がある。新しいジャンルについて学ぶことは、あらたな単語や未知の語法と出会うことでもある。

おれにとって、ペン習字に興味を持ったことで出会った言葉の代表が「書きぶり」だ。寒ブリや親子どんぶりなら知ってたんだが。 書きぶり。意味の見当はつくが、目にも耳にもしたことがなかった。しかしスーパー大辞林を引いたら載っていた。なんだ、おれが無…

第9回 パイロットペン習字通信講座を受講する。しかし、決めたからといってすぐに学習を始められるもんじゃないのだ、これが。

まず、パイロットに資料を請求する必要がある。 オフィシャルページの申し込みフォームに記入するのが第一歩だ。この手続きを踏まないと、受講料の払込票が送られてこない。12600円を振り込むことイコール受講申し込み なので、面倒でも資料を請求する必要が…