第22回 画像処理ソフトを利用したセルフ添削システム。こいつを使った練習は、おれに合っているようだ。自分では効果アリ! と思っていが、このシステムにすこし手仕事を加えてみることにした。
名付けてセルフ添削システムII(ツー)。
ネーミングはごたいそうだが、その実態はシステムと呼ぶのが憚られるほどアナログな練習方法である。
画像処理ソフトを使って手本と自分の字を重ねる。すると当然そこにズレが生じる。これまでは、このズレを目で確認し「2画目はもっと短く」「左はらいはより直線的に」「終画のたて線は垂直に」などと頭のなかでつぶやきながら練習していた。
ここまでが従来のセルフ添削システムである。
これはこれで効果があるのだが、あまり性能の良いとはいえないおれの脳は、注意点をすぐに忘れてしまう。
あるいは、あちらに気をつければこちらを忘れる、といった調子で、ぼろぼろとポイントを見落とす。
ならば、デジタルで足りないぶんをアナログで補おう。
というわけで、モニターを見ながら修正すべき点をカラーボールペンでノートに書き込めばいい。
この際に、ちょっと気恥ずかしいけど「右はらいは直線的に」などと声に出しながら修正のペンを入れる。理由は、声を出せばそのぶん脳が刺激されそうだから、という単純なものだ。
編集用語で、ペンによって修正箇所を書き込むことを「アカを入れる」と呼ぶ。アカは朱のことだ。おもに赤ペンを使うためこう呼ばれているのだが、おれの場合は修正箇所が多すぎるため、青と緑のペンも動員した。そうしないと全体が真っ赤になって、自分で見直す気がなくなりそうだからだ。
「新」だけでもこんなに修正が入る
パイロットのペン習字講座では、月々の課題を書いて送ると講師の方が添削の赤アカを入れて返送してくれる。
それを、課題を提出するまえに自分分でやっちまおうというのが、II(ツー)の概要である。
もちろん、講師とおれでは見る目の次元が違うから、自分で入れる赤には限界がある。それでも、なんらかの効果はあるだろうと考えている。
II(ツー)には欠点もある。めんどくさいのだ。
毎日これをやるのはちょいとばかり荷なので、ひとつの添削課題に対して1〜2回実施できれば上出来だろう。
毎日やれば回数に比例して字がよくなりそうだが、自分のペン習字寿命を縮めそうな予感があるのでやめておく。
ついでにおれのペン習字練習環境の写真も載せちまえ。
メインの机はパソコン用で、平行の板が4枚あるもの。いちばん上にスキャナー、2番目にモニター、3番目にふだんはキーボードを置いているが、練習のときにはノートを広げる。
かなりガタが来ているが、"恩人"からいただいたものなので、壊れてしまうまで使うつもりだ。
黒い袖机のほうがずっと天板の面積が広いのだが、それはご愛嬌ってことで。
で、こんな画面を見ながら練習している。